ある日、相続が発生した。

何はともあれ、まずは戦ってみましょうか。

ある日、相続が発生した。55


拝啓 春光うららかな季節を迎えました。



とかいう出だしで、例の司法書士サマ、須々木さんから愉快な手紙が届きました。

あまりにもあまりな訳の判らなさで、正直、読んだ私も愕然としました。



何に愕然としたかって、あまりの阿呆さ加減に。



とりあえず意訳してみます。





『平井汀子さんから廂銀行の通帳を預かったので送る。解約した方の通帳は保管していない。



1.汀子さんから聴取した事項を連絡する。



□ 平井洋司さんの葬儀は○○葬祭及び墓のある地区の寺で行った。

汀子さんは言わば腰が抜けたような状態だったので、とりあえず○○葬祭の助けを求めた。



□ 洋司さんが「自殺」した原因は不明だが、遺書に「決行する」と書いてあったらしく、何かに追い詰められていたと推測される。



□ ○○葬祭での葬儀は、洋司さんの死因を明らかにしないために親族は招くことが出来なかった。

その後、親族の多い地区で2度目の葬儀をした。



□ 葬儀費用は、計60万円(各30万)以上必要だったため、汀子さんの預金だけでは賄えず、不足分は洋司さんが払った。





2.廂銀行の預金に関する個人意見



□ 仮に長女らが廂銀行に対し、汀子さんが払い出した預金相当額の支払いを請求された場合、同行は汀子さんに返還を求めることになると予想される。



□ 汀子さんは孫達に少しでも財産を遺したいと考えている。

だが仮に間接的に(廂銀行経由)にせよ、長女らから洋司さんの葬儀費用に充当した金銭の支払いを請求された場合、汀子さんの気持ちに変化が起こる可能性がある。





本書について不明な点は当職に問い合わせろ』(意訳)





一応、意訳したつもりなんですが、あまりの阿呆ぶりに、原文がちらちらと出ています。

すみません、正直、これ、意訳し難いです。

だって意味が判らないんだもんよー!



そもそも何で関係ない人がこんな手紙を送ってくるのか理解不能です。

汀子さんから正式に依頼を請けたのなら請けたと、まず最初にこちらに判るように書かないと意味がありません。

さらにこれ、私に送っても仕方ないと思うんですよね。

廂銀行に言うべきなんです。

しかも汀子さんが「息子には嫁も子供もいない」と銀行窓口で断言したという事実は変わりません。

正直、私に言われてもなあ……(笑)



しかしまあ、司法書士ってのは何ですか? こういう頭の悪い人ばかりなんでしょうか?

そもそも須々木さんが手紙を送って来なければ、こんなことにはなっておらず、当然銀行とのやり取りも発生していなかったはずなんですよねー。



まあ、須々木さんが汀子さんに問い詰められて涙目になってこっちを悪役にしようと必死になっているのかも知れませんけど、正直、この程度の文章で勝負出来ると思われるのは心外というか。

余計に証拠を残してくれてありがとうとしか言いようがないというか。



何だかやれやれって感じです。ハハハ。